(「こっち」でよく取れる茶葉って何だ?)
[改めて、開封済みの封筒の方を手に取る。
差出人の住所は? 切手の竜巻模様が示す地域は?]
……………アレでいいのか……?
[「実際に届いてから飲み方を調べればいいのでは?」
という考えがすっ飛んだまま、
予習のために見当をつけようとするこの男であった。
具体的な茶葉名をカペーシアに直接聞けば
いいのではないかって?
それは少々恥ずかしいというものがあったのだ。
そこまで長く居住していないとはいえ、
多様な茶に恵まれた地の住民として。大人としても。
と、実際に「うまくいく」前から既にこう悩む程度には、
夫であり父親としてのヴィブラトは、
ちゃんと「うまくやる」心算でいる、ということだ。]