
37 【手紙村】あなたの願いは叶いましたか (2025/03/15(Sat) 07:00:00 に更新) RSS
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[暮れていく空に飛んでいってしまった手紙を見送った。
出すべきか悩まずにすんだのだからよかったのかもしれない。
なんだか一歩進めた気がして、人形はベッドの上に乗って窓を開ける。
もう手紙の影は跡形もなくて、徐々に暗くなっていく空には星が瞬き出していた。
いつもは静かになりゆく時間のはずなのに、今日はざわざわと人々が外にいく気配がする。
──今日は、流星の夜だから。
けれども一階にあるこの部屋からは木々は邪魔で外はよく見えない。
だから人形は、ぺたぺたと裸足のままで外に出る。]
(90) 2025/03/12(Wed) 22:10:07

[塔を登る。星見の塔へ。
もっと上へ、一番上へ。
足の裏の感覚がなくなるころに、ようやく人形は頂上へと辿り着く。
どうしてだか誰もいないそこは、壁にも天井にも多くの硝子を用いた文字通り星を見るための場所だった。]
…………。
[人形は窓から外を見る。
学びの塔の中庭には、幾つもの屋台が並んでいた。
学びの塔の敷地の外にある近くの小高い丘には、一つ二つ三つ四つ。
数えられないほどの明かりがあった。
そうして、頭上を見上げればそこにももちろん、満点の星と。]
(91) 2025/03/12(Wed) 22:10:28

[七色の光の尾を引いて、星がすうっと流れていく。
聞いた通り、読んだ通り、伝えられてきた通り。
きらきらと短い時間の間に起きる奇跡。
”七色の星が降る夜に願った願いは叶う”
人形の硝子の目の中に虹色の光が反射する。
人形は普段は小さく閉じている口を開いた。]
(92) 2025/03/12(Wed) 22:10:39

[わたしは、演算機能を持たない。
わたしは、戦闘技能を持たない。
わたしは、魔法道具より役に立たない。
わたしは、研究の役にたたない。
わたしは、博士の役に立たない。
わたしは、塔の外に出れない。
わたしは、物語を持たない。
わたしは、十年経ってもただ動くだけ。
わたしは、百年経ってもただ動くだけ。
わたしは、]
(93) 2025/03/12(Wed) 22:11:08

(94) 2025/03/12(Wed) 22:11:51

[空に願う、星に願う。
七色の軌跡に魔法人形は願う。
十年学んできた結果として、その自律思考の願いは。
たった一つだった。]
(95) 2025/03/12(Wed) 22:12:12

[七色の星が降る。
ボクは家を出て孤島の砂浜を一人歩いた。
途中、人魚がよく集う入江から人魚たちの声がした。
顔を見せ、挨拶をし、ボクも仲間に入れてもらおうか。
丁度いい岩場に腰掛け、流星を見上げる。
人魚たちは思い思いに祈ったり、
願い事は何にするかと話したりして賑やかしい。
今日この日だけは願いに対価はいらない。
ボクは心穏やかに人魚たちを見守っていた]
(96) 2025/03/12(Wed) 23:16:32

それで、君たちの願いはなんだい?
……ああ、警戒しないで。ただの雑談サ。
純粋に君たちの願いが気になっただけだよ。
[願いを聞けば少し警戒されつつも。
無邪気な人魚たちは色々な願いを言うだろう。
『歌がもっと上手くなりたい』
『恋人と結ばれてずっと一緒にいたい』
『もっと綺麗になりたい』
ああ、いいねえ!可愛らしい願いだ!
ボクはにこにこと人魚たちの願いを聞く]
(97) 2025/03/12(Wed) 23:17:17

[だが、その中の一つに少し表情が陰る。
『人間の足を手に入れて陸の世界に行きたい』
──そう、願う人魚は。あの子ではないのだから。
希望に満ちた美しい瞳をしていた]
フフッ、何度も話したかもしれないが。
陸は楽しいだけの世界じゃないよ?
それにだねェ……、
[ボクが陸と人間の怖さを語る前に、
人魚たちから『知ってるわ、魔女さん』『海だって怖いわよ?ねー?』などときゃいきゃい話を遮られ、ボクは不満げに口を閉ざした]
(98) 2025/03/12(Wed) 23:18:08

[人魚の一人が不思議そうな目でボクを見つめて問いかける。
『ねえ、どうして人魚が陸に行くのを止めようとするの?
いつもなら「面白い物語が出来そうだ!」って、
むしろ勧める方だと思うのに』
そう言われれば、ボクはぽつりと一言]
遠い昔に約束したのサ。
『この海の人魚たちをお願いね』ってね。
え? 誰かって? それは秘密だ。
[それだけ言うとボクは話は終わりと言いたげに人魚たちにそっぽを向いて流星を見上げる]
(99) 2025/03/12(Wed) 23:18:48

[ボクの願いはずーっと変わらない。
面白い物語を読み続け、創り続けたいんだ。
だって、だって──]
(100) 2025/03/12(Wed) 23:19:32

[気付けば涙がぽたりと頬を伝って海に落ちる。
ボクは流星に夢中な人魚たちに気付かれぬよう、
そっと目元を拭い]
ああ、喉が渇いたな……。
[そう、再び流星に願いをかけるのだ]
(101) 2025/03/12(Wed) 23:21:54

[流星をしばし眺めてから、人形は塔を去ることにした。
外に出て人々の間に加わろうとは思えぬまま、冷たい石畳の廊下を歩いていく。
すれ違う人たちが、いつもよりも楽しそうに明るく会話をする。
何を願った? 何が望み?
いいね、すてきだね、楽しいね。
そんな言葉の行き交う廊下を通りすぎて、まだ流れている流星を廊下から見て、人形は自分だけしかいない部屋へと戻る。
出しっぱなしの、まだ真っ白な便箋たち。
それらをしまおうとして、からんと万年筆が転がる。]
(102) 2025/03/12(Wed) 23:47:40

[”いいね、すてきだね、楽しいね。”
ああ、それはなんともよい響きだ。
博士が時々、人形に言ってくれる言葉だ。
でも人形はいつもおうむ返しになってしまうから、言わない言葉だ。
だって、人間の方が先にそういうから。
だけども、文字なら違うだろうか。
だって書けば、人形が先に伝えたことになる。
それに人間は文字で知らない土地の知らないことをやりとりしているから、そういう人ならば人形の文字も読んでくれるかも。]
(103) 2025/03/12(Wed) 23:48:02

[人形はたったまま万年筆を手にする。
便箋に文字を書きながら、さてこれをどうするかと考えた。
博士はよく遠くの出来事を書いたものを読んでいるし喜ぶだろうが、なんだか違うと思う。
東の魔女? 読んでいるかわからない。
この手紙は、きちんとした宛先がなくても届くのだろうか?
悩みながら、思考に浮かんだものの名前を書く。]
飛んで。遠くに。
[誰に届くともわからぬ宛先をかきつけて、人形は窓を開く。
折られただけの便箋は、すいっと流星がまだ流れる空へと飛んでいった。]
(104) 2025/03/12(Wed) 23:49:14

[──やがて、話していた
七七年に一度の星が流れる夜がやってくる。
羊たちも寝静まり、見上げた空は
オレンジからすっかり濃紺に変わっていた。
もらった手紙はまだほとんど使われていないまま
手元に残っている。
願い事を書く前に、
空を見上げて、溜息のような呼吸を一つ。]
(105) 2025/03/13(Thu) 02:41:12

[書き記したものはたった一文だけ。
自身の考えがまとまるよりも先に浮かんだ文字は
純粋に今の気持ちを表していた。
この手紙が届かなくてもいい。
きっと、誰かに聞いてみたかっただけ。
宛先のない手紙に封をして、
南の国でよく使われている伝書鳩を指笛で呼び寄せる。]
好きなところへ飛んでおいき。
途中で手紙を落としたとしても、
構わないからねえ。
[くるっぽーと鳴く鳩の頭を指先で撫でて、
夜空へと羽ばたいていく鳥を見上げるとキラリ、と光る。]
(106) 2025/03/13(Thu) 02:49:34

[ひとつ、ふたつ。
数え始めた星は、いくつも次々に降り落ちる。]
ああ、綺麗だねえ……。
こんな夜なら、本当に願いが叶いそうだ。
[老婆が少女のように微かに瞳を輝かせる。
その姿を誰も見ることはないけれど。]
(107) 2025/03/13(Thu) 02:53:11

[ふと、よぎった願いごと。]
…………、ふふ。
[叶わなくともいい。
思い出すだけでも、私は幸せなのだから。]
(108) 2025/03/13(Thu) 02:54:55

村の設定が変更されました。
定員: 7人 (ダミーキャラを含む)
最低開始人数: 7人
開始方法: 人狼BBS型(更新時間が来たら開始)
役職配分(自由設定時)
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