やっぱりきれいな色だね。[カップの中を覗き込んで目を細める。二日酔いはといえば、頭の芯がまだぼんやりしているくらいで、痛みや気持ち悪さはなかった。お酒を飲むには適した体質らしい。澄んだ水色から、明るさのある紫になったところで。ん? と不思議そうに首を傾げた。] ……むらさき。[黙ったまましばらく考え込んでいたが、途中で何でもないと言って、色の変化と空の変化を楽しんでいく。沁み行くような静けさに、呼吸の音と声が泳いでいた。]