― 夜明け・屋根の上 ―
[二階の窓よりも高い視界。
黒から濃い紫へと変わっていた空は、朝陽が登る方向から徐々に明るさを引き連れてきて、ピンク、薄紫、水色、青紫、濃青。と真夜中の黒を失って美しきグラデーションを映しだす。視界いっぱいに広がっている。]
あんまり動いてずり落ちるなよ。
[そうして前のように出窓の上という座りやすい位置に降ろし、自分も隣に座ってそんな空をしばし眺め]
見たかったっていった光景はどうだ?
[お茶に目を落とす。レモンの果汁の酸味で先程まで水色だったお茶がレモンの位置から段々とピンク色になっている。
端まで到達するまでの間見れるグラデーションはカップにも描かれながら、お茶はまだ飲まずにイヨリへと聞くのであった**]