[酔ってない、まだ平気。
溜め息をつかれてしまった。こんな私に呆れた?
違うのに。縁がなくなんてない。
そういうことの知識はある。
身体を重ねて好きになることがあるってことも、より深まることがあるのも、逆に違うと知ってしまうことも、実体験としてではなく。
背中を撫でられる。
また宥められてしまう?
殻なんてなく、自分がどんな顔しているのかわからない。
きっとひどい顔をしているに違いないのに。
鼻先でなんて顔を上げさせられて。
こんな時に可愛いなんて言われても、くしゃっと眉が下がって涙が滲んで、酔っているから我慢できなくなってしまう。
うー、と声にならない声をこぼして。
ぼろぼろと大粒の塩味の水がピギーの着ぐるみを濡らした。]