[ 他の誰かと手紙を遣り取りするようにならなければ、 きっと自分は機能停止するまで施設から出ることなく、 独りぼっちで朽ちていくはずだった。 けれど、いまは違う。 自分以外の誰かがいることを知った。 彼らと話すことの喜びを、他者と繋がれることの尊さを、 彼女は知った。 飛んだところで何も見つからず、辿り着けない可能性だってある。 でも、試してみなければ。]私が目醒めたのは、きっと、このためだった。そう、信じて。