「我こそが人狼だ」――吐き出した声は、煙草を絶った苛立ちの震えそのものだった。あのときから火を入れていない指先は宙を掻き、仮面はすでに剥がれ落ちていた。視線の鋭い者に震えと咳を見抜かれ、僕は処刑台の短い短い階段を踏みしめる。縄の軋む音を聞きながら、最後に欲したのは煙ではなく、静かな終わりだった。