>>+13
間抜けだなんて思ってませんよ。むしろ、歌劇場の怪人を音楽の天使と呼んでいた歌手のようで可愛らしかったです。
(揶揄うような調子で返し、それから少し声のトーンを真面目に戻して)
天使を騙るのが上手い悪魔に言うならともかく、私を掴まえてそんな風に言う方も初めてでしたので……何だかんだその気になってしまった節は否定できませんね。
(苦笑していたあなたが微笑めば、驚いたように一瞬目を瞠ってからくすくすと笑い出す)
てっきり、もっと違う反応をされるかと思っていたのですが。あなたは本当に私の想定外ですね。
一番魅力的?当然じゃないですか。何せ私が今回あなたに手を出さなかったのだって──
(握ったままの手を強く引き寄せる。空いた手であなたの顎を捉えて上向かせれば、口付けて)
例え舞台の星になろうとも、亡霊になろうとも……私を忘れず想い続けるあなたを見ていたかったから、なので。