一度、つい床に投げつけてしまったんですけどね。
衝撃で一部が削れて欠けてしまいました。
こんなに不安定じゃ、産業用じゃ全然使い物にならないですよ。
価値はとっても低いです。
[苦笑いをしながら、呟いた。]
でも、とてもきれいだ。
[陽の光に当てると、透明感のあるピンク色の、その中の細かい粒子がきらきらと光を反射した。
少しずつ動かせば、光る粒子が少しずつ変わり、同じ反射なのに、少しずつ光の強さや大きさを変えていく。
医師は、黙って部屋を出て行ったようだった。
暫くの間、無心で小さな石を眺め続けていた。]