[朝食が終わって腹も落ち着いてくれば、“お楽しみ”の始まりだ。
催しがあるからと、一行は別室へ通される。
室内は幾つかの衝立で仕切られていて、控えていた者達は一斉に一行を見る。
護衛達は何となくその先に待っているものを察し始めた。
敢えて弟子に何も言わないでおいたのは、少しの悪戯心。
新鮮な反応は、初回でないと得られない。
あれよあれよと連れて行かれる弟子達に、取って食われたりはしないから安心しなさい、と返した。]
はは、これはこれは。
[立ち襟の外套を見て、今回はこういった趣向か、と思う。
フリルギャザーの付いたシャツはゆったりとした袖が窄まった後にフリルがついていた。
革製の手袋に、コルセットベルト。細身のパンツに革靴。
色彩は黒と青鈍色だが、細かな刺繍や装飾が存在感を与える。]