[幾度も夜空に走る光は、まるであの時のようだ。
これで、自分はすっきりしたのだろうか。
当然あの爆破の首謀者も実行犯も殺してしまいたい。
何度殺しても飽き足りない。
何を言ってもどんな事情があっても許さない。
だけど、この夜空に走る閃光は、あまりにもあのときを思い出させて、あの時と同じようにきっと一瞬でそこにある全ての人と物が壊れて崩れていて、それが今まさに目に見えるところで起こっているというそのことが、ただ、苦しかった。]
先生
私はあの爆発を知っています。
苦しいですよ。
苦しい…
「私も知っているよ」
[思わず横にいる医師の顔を見やった。]
「君がここに来た日、この病院には他にも本当に、
本当にたくさんの人が来たんだ。」