星狩りの国-暁の街-

26 ― 境界の先への手紙 ―


【墓】 煙霞山 山主 蓬儡

「お楽しみは明日にね。
あ、儡兄達にも着せるからその心算で。」

……は?

[いつぞやの悪夢を思い出して男は硬直し、すぐに確認する。]

それは、男物だろうな?

「美は性別を超えるものなんだよ。
なーんて、嘘、嘘。
ちゃんと着られるものにするってば。」

[酒の入った友人はけらけらと笑う。
化粧を施され、髪を弄られ、引っかけたら破れてしまいそうな繊細なレースのふんだんにあしらわれたコルセット付きドレスに身を包み、ハイヒールを履いてランウェイを歩かされた記憶が蘇る。
鍛え上げられた体幹で何とかねじ伏せたが、あれは二度と味わいたくない。]

(+22) 2024/09/25(Wed) 23:15:14

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