めくれたのは「月」の正位置蒼白な光の下、二匹の狼が互いに寄り添いながらも、どこか孤独に吠えている。その姿に、自らの影を見た。煙を失った獣として、夜の闇に心細さを押し隠しながら立ち尽くす自分。カードの絵柄は静かに語りかける――「孤独に耐える者だけが、夜を越えられるのだ」と。僕はその声を胸に刻み、闇の深さを嚙みしめるようにして、ひと息ついた。