[余計な感情を抱きたくなかった、に、頷いた。 自分も同じように思っていた時期があった、はず。] …ベタ褒めだな。ありがと。[捲し立てるように言葉が紡がれていく。 元の世界で会えてたら、かぁ。 俺は俺の世界で、ウタと出会ったけど、 いつか帰る人だ、とずっと思っていて。]…俺もだよ。[別れるのは、悲しい。辛い。 終いにはしがみついてきた彼女を慌てて抱きしめる。 狭い椅子の上ではそのままでいられないから、 隣の椅子へ戻すように、彼女を支える。]