[ 魔法にはしゃぐ、というのは。 この少年にとっては恥ずかしいことだったらしい。>>0:88 なるほどだから顔が赤かったのだろうな、と 勝手に納得し、少女は礼の言葉に口角を上げた。 スープを飲み干し、喉奥に温みを通す。 相変わらず記憶の一片も戻って来る気配はないけれども、 不思議と焦るような気持ちも湧いてこない。 ] …………なる、ほど。[ 神妙な面持ちで、少女は問いかけの返事を耳に入れる。 旅人……? と評するには些か自信がなく、 自己を形容する言葉のどれもに曖昧が滲む様。>>0:89 ]