─回想/3年生の頃 春・四月/廊下─
[対照的に映し出される幸阪と美濃。>>0:250>>0:320
美濃が幸阪に話しかけるこのシーンで>>0:25相手の身を折るような息苦しさ>>128と息の止まる緊張感>>0:129を一瞬で払拭する箇所。
数拍遅れて反応した後の吐息交じりの声、丹田は心の中で「いい!」と強く頷いていた。緊張からの弛緩を体躯で表すのがこれほど上手な人物もお目に掛かれないと丹田は間近で感嘆する。勿論演技中なので一切表には出さないが。]
うん、そうだよ。
[自らの名を呼ぶ声に頷き>>320見守るような面持ち。
ここから先、あるシーンまで美濃の表情は一切映らないが根岸からは美濃こと丹田の表情は分かることだろう。
丹田の表情を映し出さないのは、この場面でクローズアップするのが幸阪の方なら僅かな動作や間・余白、様子全て文章で表せない部分含め全部カメラに収めた方が良いのでは?という判断から。
特にこのシーンは多くを語らない時の幸阪、後に心情を語るなら対比を映した方が良いのでは?と。>>0:326>>0:327
加えて美濃が幸阪の思いに気づけていない暗喩として丹田が監督と脚本家に提案したのだ。]