ー 回想・どこまでも続く静寂の中で ー
[決して平坦とは言えない地面を私は進みます。
周囲には、もはや物言わなくなったヒトモドキが倒れ伏し、朽ち果てる時を待っています。
その中には見知った顔を見出すこともありました。
その度に、言葉にできない空虚感を感じます。
何度繰り返しても、慣れることはありませんでした。
しかし、朽ち果て消えゆく彼らに、どこか安堵する気持ちも感じます。
動く彼らに二度と会うことができなくても、それがどれだけ辛いものでも。
戦場で稼働を停止しようとしている彼らを助けたときの喜びも、再び戦場へ送ることを思えば辛さの方が勝って。
大破した彼らを見送るたび、残念で、安堵して、苦しくて。
彼らを救えても、再び戦場へ送り出すことが忍びなくて。
どちらも同じくらい辛くて。
それでも、任務である以上、それが私の役割であるから、そう思って耐えてきました。]