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>>0:56 ギィ
[ぽそり、と零したのはこの賑わいの中には削ぐわなかっただろうか。
数刻そちらを窺うように向けた視線をぱっと上げて、話をねだった。
まだあなたのことをよく知らないから。]
そっか。それじゃあ、ギィの故郷はどんなところだったの?
それでいくと、ボクの心を優しいって言ってくれるギィの心も結局優しいって話にやっぱりならない?
堂々巡りのわたあめだ。ずっと食べ終わんないやつ!
……さっきギィはボクに夢みたいなもの作るって言ってくれたけど。
ボクからするとギィこそ、夢みたく素敵に言葉を扱えてすごいなって思うよ。
ならボクは今日とっても幸運だったんだね。
[先程心にしまったものを辿々しくも取り出して、あなたと同じ表情で示した。]