《 だから、姉さんの喪失の苦しみで。
……それを夢で、あの人に、知られてしまっても、いて。
僕はもう、授かりの大団円よりも自らの悲劇を選ぶ、と
そんな信念で――信念だけで――ロサを飛び出して。 》
《 それから暫くは、見ず知らずの土地を彷徨った。
世間知らずの癖に正直であろうとする心だ、
未だに思い出すだけで堪える出来事もあった。
切欠は、今は具体的には思い出せないけれど――
どこかの星で、今の座長と出会って、
その人が僕の演技の素質を見抜いたことで、
一座の一員としての人生が始まったんだ。 》