いただきます。[ナイフとフォークを持つ手つきは少し迷うように動く。崩れてしまうと店主が言っていたから、串が外れてしまわないように、先端から徐々に中央に向かって食べ進めていくのがいいだろうと。ナイフを入れれば、焼いたパンやレタスが音を立てた。まずは素のままで口に運ぶ。ライ麦パンの酸味をクリームチーズが包み込み、口当たりが優しくなる事は体感として“覚えている”気がした。間に挟まった新鮮な野菜は瑞々しく、パンとは違う食感を与えてくれる。]