[――夜。
ベッドの枕元にチケットを置き、布団に潜り込み。
あと何回見られるか分からない天井を見つめ。ゆっくりと目を閉じる。
しかし、なかなか寝付けない。]
・・・・・・こんな歳になって、楽しみすぎて眠れないなんて。
[年甲斐もなく遊園地に思いを馳せている自分、誰かに話したら笑われちゃうかしら、と苦笑して。
遊園地。
人伝で聞いた事はあるけれど、実際どんな場所なのかは知らなくて。
楽しいところ、夢があるところ、子供が帰りたくないと駄々をこねるところ。
何があるのかしら、観覧車ってどんなのかしら、おばあちゃまでも楽しめるのかしら、なんて。
期待に思考を巡らしていれば、いずれ意識は手放して。]