>>-215>>-216ヤワタ
[今は昔。とある村の外れに二人の親子が住んで居た。
病気の母親に、うら若い美しい娘。
娘は母親の代わりに身を粉にして働き。その生活は決して楽になる事はありませんでしたが、母と娘、手を取り合い。貧しいながらも心豊かな日々を過ごしていました。
翡翠色に輝く髪を持つ娘の見た目もさることながら、その心根の良さ、愛情深さ。
この村で娘の事を知らぬ者は居ないくらいの評判の娘だ。
その娘の評判は隣街にまで及んだ。
その噂を聞きつけた、少領主の息子はその娘を一目見たい、と。ある日村までやってきた。
一目で娘を気に入った息子は、娘を妾に迎えたい、と。娘の母親に金貨を積み上げ、まるで浚うように娘を街へと連れ帰った。
娘は母親と離れ離れになり、そのお屋敷で息子と共に暮す事となった。
少領主もその息子も街の者からは快く思われていなかった。
傲慢で意地が悪く。何かにつけてその権力を振りかざし、貧しい者を蔑み。金と力がある事が絶対的な幸福だと謳い。
さらに美しい娘を囲った事も自慢の一つに加わり、嫌われていく一方では有ったが。男の増長は止まる事はなかった。]
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