[そんなハリコの“普通”かつ“恵まれた”華やかな生活は、ある事件を機に一転した。
とある施設で発生した火災。
現場検証と目撃者の証言により放火と断定されたこの事件に、当時現場に居合わせていたハリコも巻き込まれ、右眼を失うほどの重傷を負ったのだがーー。
被害者である彼女が、何の因果か、放火の容疑者として逮捕されたのである。]
刑事さんは全然話を聞いてくれなかったけれど、
今はあなたがいてくれて心強いです。
どうか、よろしくお願いします、先生!
[担当の弁護士であるこの人なら、自分の身の潔白を証明して無罪を勝ち取ってくれるーー。
この時のハリコは、そう信じ切っていたのだ。]