────深夜、
機人または改人の強化された視界でないと見通せぬ深い闇の中、
パワードスーツを装着した数人が、獲物を行き止まりに追い詰めた。
銃口を向けながら、取り囲みの真ん中から一人が一歩前へ出る。
「これ以上は逃げられないよ?
観念して捕まってくれないかなぁ」
機械を通して、雰囲気にそぐわない、お茶らけた声が辺りに響いた。
「罪状は、わが国への不法侵入およびスパイ活動容疑。
大人しく捕まって、洗いざらいぶちまけてくれたら
命は保証するけど、どうする?」
音声に合わせて、機械の装甲に覆われた口元が点滅する。
敵国の君にはどう映ってるんだろうね?この後に及んでも、忌むべき技術の結晶に見えたりするのかな?