[私は彼のちっちゃな頃を知っている。その後の小学校も中学校も、高校はまぁまぁだけれど、暝々学園での姿も、もちろんよく知っている。どんな人なの?と問われたなら。金髪とか、あおい瞳とか、パッと浮かばない。簡単に答えられるつもりなのになぜか言葉に詰まって。うーん、どうしようもないヤツ、って。自然と笑ってしまう口元を抑えて答えるのだ。どうしようもない、どうしようもないくらい、私と彼は幼馴染で。それよりちょっと短い間、ずっと婚約者同士。]