終のお宿 和風ラウンジ
やはり、死んだんだな。私は。
[ともあれ白薔薇の樹霊は自らの死に様について、引き戸と暖簾の向こうから案内をしてくれた女将さんに対して、何も語りませんでした。
>>1>>#3 白薔薇から話さずとも、もしかしたら女将さんには、白薔薇の身に起きたことがなんとなくわかってしまうのかもしれません。]
どうも。
[芸能人の「ツバサ」にそっくりな姿を取った白薔薇は、やはりツバサ様によく似た声で、この旅館の説明をしてくれた女将さんにお礼を言いました。
>>2 そして薔薇の花が描かれた木札の鍵と一緒に、瑞々しい匂いのするおみかんをも女将さんから受け取り、小さくお辞儀を返しました。]