[私はメッセージを大切に胸に仕舞います。
花束に顔を近づけると、マウスくんの香りがするような気がしました。]
君もいい匂いだと思う?
[鼻を近づける子犬に微笑みます。
現実世界だと花束は早く花瓶に移さないとですが、そこは“夢”のご都合主義が発揮されるでしょうか。
でも、どうせなら――――私は想像を働かせます。
すると花たちが宙に浮かび、はらはらと雪のように舞い始めたかと思うと眩い光を放って、持っている傘の生地に吸い込まれて行きました。]
上手くいったみたい。
[私は明るさが元に戻ってから、傘を確かめます。
無地だった生地には想像通り、色とりどりの優しい花の模様が浮かびあがっていました。]**