回想:選んだ理由
[ お祭りの日、二人で過ごした花畑。
立ち去る前だったかな。マントを再び身につけた僕に、
君が、マントの色が紫であることの理由を尋ねたのは。
マントは他にもいくつかあって、他の色もあったけれど、
僕が選んだのは、紫で。それは──]
君の瞳に似てると思ったからだよ。
[ 改めて言うのは気恥ずかしかったから、
ちょっとだけ目を逸らしたけれど─]
フローラ、君が大好きだ。
[ もう口にすることに躊躇うことはないのだと。
君の瞳を覗き込むようにして、そっと口づけよう。
キスはまだ人前でする勇気はないから今の内に**]