[帰還の門が現れているのは時間にして数十分ほどだ。
あまり悠長に悩む時間は、もう残されていないが…。]
また、もし門を潜らず、こちらに残る場合でも
せめて残してきた方々に
別れの挨拶くらいはしたいと
お思いの方もいらっしゃるでしょう。
時間の都合上引き合わせて差し上げることは叶いませんが
もし言伝などございましたら私がお預かりいたしますわ。
[そう告げ、ベアトリクスは旅人一人一人に
羊皮紙とペン、それに小物が入る程度の袋を渡してくれる。
魔法の力自体は門を潜れば消えてしまうものの、
門の力に転送魔法を結びつけることで
狙った場所に届けるくらいはできる。
せめてものアフターサービスであると
ベアトリクスは告げる。]