[ポールには、本当にたくさんの星から生徒が集まって、一緒に勉強してる。
だから、僕たちが普段使うのは、どんなにぎこちなくても銀河語。
エリトラから来た子も、遥か遠いカイオウから来た子も。マリクから来た僕も。
どんなに慣れなくても、どんなに難しくても。故郷の言葉を使うことは殆ど無い。
だって、マリク語を喋れるのは、先生やガクシャの人くらいしかいないから。それは皆も同じ。
先生も普段は銀河語で話すし、お願いしても、僕たちの故郷の言葉で話してはくれない。
学校では、なるべく銀河語で話すのがルールなんだって。
最初は慣れないけど、少しずつ、少しずつ、簡単な言葉から覚えていく。話せることが増えて、仲良しになる、よく話す子が増えてくる。
寮暮らしにも慣れて、窓から沢山の建物が見えるのにも慣れて。
言葉が難しいのにもなんとなく慣れて、生活ができるようになって。
ちょっとだけ、故郷が懐かしくなった。]