星狩りの国-暁の街-

6 ― まだ、ちいさな手紙 ―


ほしあつめ サダル

[ポールには、本当にたくさんの星から生徒が集まって、一緒に勉強してる。
だから、僕たちが普段使うのは、どんなにぎこちなくても銀河語。

エリトラから来た子も、遥か遠いカイオウから来た子も。マリクから来た僕も。
どんなに慣れなくても、どんなに難しくても。故郷の言葉を使うことは殆ど無い。

だって、マリク語を喋れるのは、先生やガクシャの人くらいしかいないから。それは皆も同じ。
先生も普段は銀河語で話すし、お願いしても、僕たちの故郷の言葉で話してはくれない。
学校では、なるべく銀河語で話すのがルールなんだって。

最初は慣れないけど、少しずつ、少しずつ、簡単な言葉から覚えていく。話せることが増えて、仲良しになる、よく話す子が増えてくる。

寮暮らしにも慣れて、窓から沢山の建物が見えるのにも慣れて。
言葉が難しいのにもなんとなく慣れて、生活ができるようになって。

ちょっとだけ、故郷が懐かしくなった。]

(10) 2023/04/23(Sun) 18:21:42

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