自己紹介が遅れた
私はこの施設の管理者代理
この場所でのみだが、少尉階級にあたる
アイリスA型08だ
周囲からは『ドクター』と呼ばれている
好きに呼んでくれ
[型番と共に、襟元を飾るフルール・ド・リスの紋様を見せる。
対して重要な名ではない。アイリスでもドクターでも、階級名でも、好きに呼べばいい。
一方的に語るプロフィールは、特に覚えて欲しい物と言う訳では無い。階級など名ばかりの物。この場で逆らってはならない地位のモノと言う約束だけで、大層な肩書を背負っている訳では無い。
実際施設の本当のトップはニンゲンで、所詮自分はその下で働く道具だ。
自分は施設に送られてきたヒトモドキ達の世話役で、最後に記憶消去機材のスイッチを押すモノ。
たったそれだけ。]