運び屋の憂鬱
[何度か便りを求めたその囚人は、
一度も手紙は持ち寄らなかった。
そうして、支給品を置いて
>>0:383、
同情を隠し得ない表情で「早く連絡とれると良いな」と
そう溢した後に、外の世界の話をする貴重な相手だった。
時折持ち寄られる支給品に、手紙がないか。
きっと貴方も飽き飽きしてしまったことでしょう。
貴方がこの仕事を請け負う理由は知っている。
職業病とでもいうのでしょうか。
冤罪が晴れればいいですね、と
最初の頃に伝えたこともあったかもしれない。
そんな貴方に、ひとつ頼みたいことがあるんです。
一緒に、この監獄の建築図面を探していただけませんか?]