――それから――
そんなわけで、働くほうがこの旅人は精神的にも安定するらしい。
魔法使えないときついからギルドの鍛錬用のやつくれ。
[とは、何日かに一回くるギルド員が来たのはイヨリが外出した翌日のこと。そのギルド員に向けていった言葉である。
実際幾度かきたときよりはイヨリの様子は明るかっただろう。そんな民族いるんですね。、異世界だしな。なんて雑談をしつつ、ギルド施設の魔道具などを借り受けたりする。
そうやって普段の文字のお勉強などはそのままだっただろうが空いた時間には魔法の練習も加わることとなる。
魔法の勉強を初めて、最初の二日ほどは仕事はせずに、もう少し常識を学ぶこととか――例えば、礼儀正しくない客は客じゃない。だとか、そんなこちらの世界の行儀に則ったものを教えたりもあったし]
この液体土はな、一定の熱で固まるんだ。んで、動かすことができる
[と、ドロッとした液体を人形のようにして動かすのを手本として見せる。
泡玉が水や風を操る練習だったとするなら、こっちは火と土の練習だ。そういう基礎からはじめて、少しずつ難しいことを覚えさせていっただろう。]