決して着いてこないでね。そう告げて、出立の見送りは受け入れなかった。さようならの一言を告げることすら拒んだのは、言葉にしたら後悔してしまうと思ったから。 でも、結局電子端末は持ってきてしまった。 いくつか届くメッセージを開かないように、 電源を落として充電器に繋いで束の間の別れを告げた。船内アナウンスを耳にして、気晴らしに漸く。一度も出ることのなかった自室の扉を開けた。それは、もう別れを告げた望郷の心を鎮めるため。新しいその場所を受け入れるための、そう、これは成長。