[グリムが吠えたてるその場所にボールをいくつか投げつけると、一つだけ、蛍光塗料が付着した。
機械の腕だった。
グリムに距離を取るよう支持し、その腕に掴みかかる。]
ぐっ……
[腕ごと壁に押し付けられる。そのまま腕の接合部と思われる場所にナイフを突き立てる。硬い音がして、外装の一部が剥がれ落ちた。バチバチという音がして、一瞬、ソレの姿が見える。>>1:287]
なに……?
[思わず呆気に取られていると、勢いよく振りほどかれて背中を床に叩きつける。
その機械人間らしき者は再び姿を消し、窓ガラスの割れる音と共に去って行った。]
……
!グリム!!
[我に返り急いで相棒のもとへ駆け寄る。幸い怪我はないようで、一先ず安堵する。
落ちていたパーツを拾い、確かめる。グレーの外装の一部。
アレは最初、姿が見え無かった。そんな機械人間もアンドロイドも聞いたことがない。そしてあの外観。まるで、噂に聞くヴァルハラの機人のような……。]