[ しかし、彼あるいは彼女のように、 現在に於いても形を残している外壁はごく僅かなものだ。 所謂ホモ・サピエンスが存在した時代、 此処と同じ役割を担っている施設は地球上に数多く在り そして、どうやらそれらの施設の多くよりは 先進的な試みが成された場所であったらしいのだが。 そう、例えば、 わたしのような機械人形を導入する、とか。 過去がどのようであっても 今は、恐らく、此処も他の多くも、みな平等に 朽ちた遺構となり果てたのであろうと……『想像する』。 ]