私はこの取引に乗ることにした。
我が一族の地位回復まで叶うかは、他のプリンスたちの合議と
国王陛下のご決断次第になろうが――
次に君と会った時の私は“ヘロン・メイファ”ではなく、
“プリンス・アルデア”になっているかもな。
いずれにせよ、これから私は、
君たち“地を這う”者らを裏切る道を行く。
――ああ。私の考えも本心も、君にはちゃんと解るだろう?
王立警察隊に入って立派な地位に就いた兄様が、
兄妹を育て上げてくれた父様が、
私のせいで地獄の底に叩き落される心配がなくなるんだ。
それに加えて、技術者としての最適な環境まで
用意されてしまえば心が揺らぐってものだ。
……はは! 揺らぐどころか、今はもう迷ってもいない。