わあ、ありがとう……!
[古い機械じみた音と共に、撮影主の手元に現れた写真。
両手を出して受け取り、一つ一つをじっくりと眺める。
自分はここにいるのに写真の中にもいる。少年にはそのように感じられた。
ただ写り込んでいるのではなく、一つ一つについさっき出来たばかりの思い出と感情が焼き付いているかのよう。まさしく先程語り聞かせてもらった通り。
マストが写し出したイノリは──まるでただの子供のようだ。
そんな風にまた自分を感じる時がくるとは、まるで思っていなかった。]
僕、この写真凄く好きです
施設に戻っても……楽しい気持ちを思い出せる気がする
[目を細め、大切そうに胸に抱いてそう零した。
遊園地の思い出の始まりは、魔法使いのような写真家と。*]