[ 考えてみれば、この祭りで誰かと踊ったことがないのは
何も私だけじゃない。
ラヴだって練習を重ねてきてはいないだろうし、
互いにぎこちない踊りになってしまったのは当然のことだろう。
優雅とは言えない。
二人して、こっちが先だっけ?と顔を見合わせながら
下手くそなステップを踏んで踊って。
それでも自然と笑みが溢れ、
気づけば笑い声すら抑えずに二人手を取り踊っていた。>>9 ]
ふ、あはは…っ!
ああ……こんなに楽しいものだったんだな…
[ 君と踊るまで知らなかった。
シルヴァンとの練習も楽しかったが、
どちらかというと互いに練習として真剣なもので
こんな風に”楽しむ”ためだけのものではなかったから。 ]