[彼にとって自分は待つ対象になり得ていない。まだ何も意思表示すらしていないのだから当たり前の話なのだけど感じた痛みはそのまま、こちらに向いた顔が首を傾げたから] ん…、座る。[ぽふんとカラントさんの隣に腰掛けてシアタールームで見慣れた角度で彼を見上げる。船を降りたらもうこうして隣合うことも難しくなるかもしれないと思ったら、苦しくなって] カラントさん、今。 待つこともない、って言ったけど。 私は、その、 カラントさんのこと待ったり、 私のこと、待っててもらったり。