『バナナじゃないおやつ持っていくね。』[旅行鞄を持てばカラコロ音が響くだろう。何箱持ってきたんだって、金銀の当たりを狙うのに熱中していると知ってる彼にはバレバレかもしれない。そういう子供みたいなことを考えていたら。ほんの少しだけ、落ち着けた。わかってる、なんとなく、感じとってる。周りや両親の気遣いとか思惑とか。そわそわする気持ちはあるけれど、こんなに長い間一緒の彼となら大丈夫だと思えているし――それはつまり何が大丈夫なんだろうって。自問自答しては、ため息をついた。**]