── 現代・ライブハウス ──
[闇夜に煌びやかなライブハウス、熱狂する観客たち。
その熱狂に応じるようにギターをかき鳴らすギタリストがいた。
彼は自身を「モーラ」と呼び、伝説の歌舞伎男の再来を自称する。
和楽器を用いたバンド構成が特徴の「月夜の鴉」のリーダーだ]
今夜も粋に騒ぐぜお前たちー!!
[奔放なギターの音色には同年代の人間には出せない艶がある。
歌を歌わせればその声が聴く者の心を掴む。
モーラはまさに伝説の歌舞伎男の再来と称えられた。
──まあ、本人なんだけどな。
不敵に笑いながらモーラはいつの夜も自由に生きる。
粋に生きて、自由に消えよう。
──ああ、今日も月が綺麗だ]