>>156 ウル
フフ、それも運命さ♡ 運命とは唐突に微笑み掛けてくるものだ。
己のたましいの形にぴったりと当て嵌まるモノ。
そういう出会いというのは物語だけの話じゃないからね♡
言っただろう?忘れ去られることは哀しいことだ。
だからボクは遠慮なく爪を立てて行くよ、グラスちゃん以外にならね……やぁん♡
[頬を摘まれて喘いだ。別に色っぽくはなく泥酔(愛)の範疇である。
人口皮膚はほどほどに上等な素材であり、眼窩に嵌った青いまなこは作り物であることが分かる。
だが髪の毛はどうやら”自前”らしい。生え際に生きた皮膚と人口皮膚の接合痕が薄らと見えただろう]
フフ♡ 馴れ初めなんて充分さ……
忘れもしないあの日、ボクはそこの窓から見えるガレージにキスミークイックを搬入した。
生きて帰れたのが奇跡的なくらいの半壊で、保険も報酬もたんと降りたのだっけ。盛大に金を掛けて、盛大に修理修繕改造を行う暇潰し……それでふと目に入った……いや、”運命的に”引き寄せられたこの店に入ってね。
“目が合った”んだ。グラスちゃんのあの……透き通るような瞳と!
恋に落ちる理由なんて─────それで十分だろう♡♡♡♡♡
[要するに一目惚れと言いたいらしい。両手を祈りの形に組んで乙女ポーズしながら。]