アッシャー祭当日
[目覚めはそこそこ早くお日様が出る頃合いだった。
たくさん寝たので目の下のクマも消えていてすっきりした気分だった。
身体の疲労感も残ってはいないので調子は良い。
寝床から起きて、朝ご飯を食べて身嗜みを整える。
アッシャー祭では特別な衣装を身に纏うことになっている。
自分が――ではなく、"ジジ"が用意してくれていたのは汚れのない真っ白いシャツとズボンに鮮やかな色の糸で刺繍をしてくれているものだった。
精霊や呪いに使う花やハーブが刺繍されていて賑やかな感じがする。
その上から刺繍が隠れないように上着を羽織るのだが今日は赤毛熊の毛皮は家の軒先でお留守番だ。
骨合成獣に着せておいて代わりに見張り番をしてもらう。
用意してもらった上着はサーコートで蒼空のような色合いの生地に金糸で縁を刺繍されているものになっている]