[そのために、休暇を取ることにした。
日々の労働の対価として休息を得ることは、正当な権利である。
休暇が終われば、またここに戻ればいい。
休暇届は、ウィレム所長のデスクに置いておこう。
申請は事前に行う決まりであるが、不測の場合においてはその限りではない。
事後申請になってしまうこと、所長に叱責されるだろうが、致し方ない。
まず必要なのは、船だ。
泳いで本国までいくことは不可能に近い。
非常用の救助艇がある、それを借りよう。
出来れば他に人手が欲しいところだが、看守共に話すわけにはいかない。
さてどうしたものかと、思案するのだった]*