[ヌルは再び街を訪れていた。
眠気はない。
喧噪の中を、ふたりで歩いていく。
そこで見つけたお姫さま。せっかくなので、挨拶をしていこうか。]
こんにちは、女王様のお姫さま。
嵐がきているよ。夜雀亭は大丈夫?
[アリシア、夜雀亭の看板娘。女王様の可愛い子。
勘違いしないで欲しいのだが、ヌルが彼女をアリアの人間だと確信したのは、今だ。
表にいた彼女が、アリアの人間を従えている。彼らにとって、それだけの価値がある人物。
彼女の返事はどうだっただろう。]
本当に、大丈夫?
[拾ったばかりのグレーのパーツを、弄ぶ。
グリムは興味がなさそうに、あくびをした。]**