……そっ、か。
[>>11その後に大丈夫だよ、と言葉が重ねられたが、こちらも何となく彼女の顔が直視できなくなって少年は床に視線を落とした。
>>12先刻のように良かった、とは笑えない。
そうして先程の言葉を反芻していた。
今はいる心算、という事は、彼女の心持ち次第ではいなくなってしまうかもしれないという事。
先程の彼女の様子は少年の知るものではあったけれど、ほんの少しだけ違うような気がした。
──彼女も辞める事を考えている?
歌が嫌いになったのだろうか。
それとも他にやりたい事が出来たのだろうか。
聞きたいけれど、聞くのが怖い。
少年の表情は僅かな混乱と戸惑いを映していた。]**