― 秋・文化祭/グラウンド ―
[結月の瞳には、当惑した男子生徒が映っていた。>>2:125
謝罪に狼狽える姿に視界から早く消えた方がいいと判断する。
その顔だけを記憶に留め、少女は彼の脇をすり抜けようとした。
出鼻を挫かれたのはその時だった。
踏み出そうとした足の先、
存在したはずの隙間は誰かの身体で塞がれている。]
……っ、
[反射的に顔を上げた。先程とは違う男子生徒だ。>>2:126
今度の彼は狼狽えも当惑もしていなかった。
むしろこちらに視線を向けている。
意図的な行為だったと気づいて、結月は眉を顰めた。]