……そんな顔してくれるなよ。 “紅翼”も“碧翼”もひっくるめて下町の皆(“地を這う”地位の下層民たち)が ついている君は一人きりじゃないんだから、大丈夫。 それに、あの男――■■■■■■も君の傍にいるなら、 短命な流浪の者とはいえ心強いだろう。 尤もアイツも、仮に再びこの地に降り立つことがあろうとも、 いつかは君から離れていく客人ではある。 それでも今日、アイツからの手紙の話をする君の姿に触れて、 私にはそう確信できたよ。 だから、私なんかが――私がいなくたって、 エナガ、君は大丈夫だ。