─文化祭・体育館─
[舞台裏で、竹村茜は仲間たちと準備をしている。
これからステージに立つのだ。
緊張した面持ちでストレッチ。
仲間たちが音を合わせたりしている中、何人かの友人がやってきてはエールを送ってくれた。
機材をセットする。
目を閉じて深呼吸。
マイクスタンドの前に立ち、マイクが入っていることを確認する。
他にもステージを使うクラスや部活があるし、軽音部自体竹村茜のチームだけではないから与えられた時間は少ない。
幕が開く。
視線の先に、集まってくれた観客たちが映る。
その中に、誘った人はいただろうか。
知る先生はいただろうか。
捉えたのは例のあの子。心配そうにこちらを見ていて、一瞬眉を寄せた。
それでも唇を引き結んで声を出す。]